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第11話 契約婚約の条件②

作者: 花柳響
last update 公開日: 2026-07-03 06:01:17
「昨日まで、私は婚約者の隣に座るはずでした。……今度は、私がいないところで話を進めないでください」

「分かった」

「あと、白鳥家の調査には私も入ります」

 征臣の表情が、そこで初めて少し硬くなった。

「危なくなる」

「だから外す、はやめてください」

 袖口に触れかけた征臣の指が止まった。

「……正直、俺だけで動いた方が早いとは思っていた」

「そうやって、あとから知らされるのが嫌なんです」

 包帯の下で火傷がじんと痛んだ。

「白鳥家でも、ずっとそうでした。『あなたのため』って言われて、気づいた時には決まってる」

 征臣は通知書と焦げた帳簿を見たあと、私へ視線を戻した。

 すぐに対策を口にしなかったのが、少し意外だった。

「……分かった。君も入れるように組み直す」

「危ないと思った時は……」

「止めると思う。けど、今度は先に言う」

「……それ、口約束にしないでください」

 征臣が一瞬目を見開いた。

 それから、目元だけ、力が抜けた。

「いいだろう。書面に残す」

 その時、客室の扉がもう一度叩かれた。

 執事が銀のトレーに別の封筒を載せている。白鳥家
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